マインドフルネスの起源は禅

では、マインドフルネスとは何のことでしょうか?

日本マインドフルネス学会(2013年設立)ではその定義を、「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、 評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」としています。かみ砕いて言うと、「あれこれ考えず、ただ目の前のことに集中する姿勢」と言えます。

欧米を中心に注目を浴びている心理療法の一つであるマインドフルネスですが、実は、マインドフルネスの起源は“仏教”にあります。

仏教の開祖であるブッダが悟りを得たとき、人が正しい生き方を実践するための八つの事項として「八支正道」という教えを説きました。その七番目に登場する「正念」=「善悪や好き嫌いなどの価値判断を介さない、客観的で正しい心のありようで、物事を見つめること」を英訳したものがマインドフルネスなのです。

仏教の中でも「禅宗」は、坐禅修行をはじめ、掃除・食事・草むしりなど、あらゆることに集中して取り組み、「今、この瞬間」を感じることがそのまま修行になっています。

マインドフルネスを欧米に広めたジョン・カバット・ジン博士は、若いころから禅宗の指導者に師事して禅を学び、その修行法を西洋科学と融合させて「マインドフルネス・ストレス軽減法」を開発したそうです。

禅の中から宗教的な要素を外すことで、仏教への親しみの薄い欧米の人々にも、マインドフルネスが広く受け入れられるようになりました。近年、欧米各国からマインドフルネスに影響を受けた多くの外国人が「禅の本拠地」とも言える鎌倉や京都を訪れています。

PAGE TOP